第15回

ドイツのお得意さんを尋ねる旅に行ってきました

 梅雨前の5月の終わりから家内と、当館を長年ご利用いただいているお客さまを尋ねる、年1回の旅に行ってきました。

 13年目の今年は、ドイツのフランクフルトとニユルンベルグにそれぞれ3泊してきました。ニユルンベルグのエッカードさんは、平成元年から毎年泊りに来て下さるお得意さんです。職業安定所の事務局長を2年前に退職しましたが、今年も11月に予約が入っています。

 毎年の日本旅行は4週間、最初と終わりを通算しての1週間を東京で、あとの3週間をジャパンレールパス(JRの列車、バス、船に期間中乗り降り自由のパス)の3週間¥57、700円を使って淡路島、指宿、城崎の定宿に泊ります。1日の予算は1万円、それには澤の屋が最適といってくれます。

 そうして、旅先で友達になった日本の人と会うのを楽しみにしています。四国を旅した折りに、当時、小学4年の女の子が流した手紙が入った瓶を桂浜で見つけ、ドイツに持ち帰り、返事を書いて交流が始まり、昨年は大学生になった彼女がエッカードさんを尋ねて来て泊って行ったそうです。

 奥さんは飛行機嫌いで、いつもエッカードさんの1人旅ですが、話の中で「渋谷の駅前で○○さんと会って」というと、奥さんがすかさず「ハチ公前でしょう」と言います。

 日本旅行のスクラップを見せて貰いましたが、その中に毎日書いて出した奥さんへの旅日記も整理されています。こんな形での夫婦旅行もあるのだと思いました。

 さて、エッカードさんの家は切り妻屋根の木造の3階建て、広い庭には花が咲き乱れていました。地下室から寝室まで見せてもらいましたが、1階は、台所、トイレ、居間、2階はバス、トイレと3室、3階はトイレ、シャワー室、広い居間と寝室です。3人の子供さんが結婚して独立、今は夫婦だけでここに住んでいます。私達は3階に泊めてもらいましたが、屋根に空いた窓から星が見えました。

 朝食と夕食の内容はほとんど同じで、昼食が手をかけた料理になるそうです。朝食は、3種類のパンにハム、ソーセージ、ベーコン、2種類のチーズにジュース、ミルク、コーヒーです。お昼には、季節の白アスパラガスとジャガ芋の料理で美味でした。

 着いた時「予定は」「行きたいところは」と聞かれましたが、結局、制限速度なしで、無料の高速道路からロマンティック街道を通ってローテンベルグに連れて行ってもらいました。

 私共に泊るとちゃんと宿泊代をいただくのに、少しのお土産と、外での食事だいを負担させてもらう程度で無料で泊めてもらいました。

 こんな旅ができるのも外国のお客さまを受け入れた賜物と思っています。

日本観光旅館連盟 日観連月報より 

  

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