第24回

世界から予約が入ってくる理由


 12室の小さな家族旅館の私どもの、今年の1月から5月までの平均部屋稼働率は93%でした。
 外国人客が延べ2,702名、日本人客が504名でしたから、外国人客の割合は82%になります。十数年来外国のお客さまが9割を超えていましたから、日本のお客さまが少しずつ増えてきたようです。
 
 どこから予約が入ったか調べますと、直接予約が約93%、ウェルカムイン予約センター4%、エージェント3%となっています。
 なぜ世界から直接に予約が入るかというと、1つにはジヤパニーズ・イン・グループの会員であることだと思います。 グループは今年で創立24年目になりますが、これまでに約220万部のパンフレットを世界中に配布し、グループ全体で185万人を超える外国のお客さまを受け入れてきました。 グループのパンフレットは、まるで世界中を一人歩きしているようです。
 
 情報提供としては、息子が3年前に「家族で迎えます」という英文のホームページ を立ち上げ、ヤフーなど多くのサイトにリンクをしてもらっています。これに1日約100件のアクセスがあります。
  内外のマスコミやガイドブックの取材は一切断わりませんでした。存在を知られるには、これほど効果があるものはないと思ったからです。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌の取材は550を超えました。多くのガイドブックにも掲載してもらっています。
 宿泊のお客さまを一生懸命接遇し、同じ形で家族旅館をやってきたお蔭でしょ うか、リピーターやロコミのお客さまも大勢いらっしゃっていただいております。
 
 直接予約の難点は、予約をしても来館されない不泊のお客さまでした。これはカ ード番号で予約を受けるギャランティ・リザベーション制度を取り入れることで解決できました。
 カード番号で予約を受けて、もし不泊の場合にはカード会社を通して1泊分の宿泊料を請求できます。しかし、私どもが予約を受けながら部屋を確保していなかったら、同等の他の旅館に案内して1泊分をこちらで負担するものです。
 
 それから、どんな形で予約が入ってきたかと見ますと、電話56%、Eメール30%、FAX10%、その他4%でした。
 毎年、電話での予約が半分を超えていますが、どこの国の人でも必ず英語で掛けてきますから、これを受けることができるのです。
 でも、最初の頃は「ハロー」と受話器から流れてくると舞い上がってしまいました。 そこで「電話予約の対応例」を作って電語の横に貼って、それを見ながら受けていましたら、いつの問にか対応することができるようになりました。
 海外からの電話では電話料が高いので、早く会話を終わらせなければと思ったのですが、国によっては日本より安いといわれて、ゆっくりとカード番号など必要なことを聞けるようになりました。
 
 Eメールでの予約がFAXに取って代わってきましたが、外国のお客さまは予約の際に質問が多いので、インターネットの前に座っている息子の時間がどんどん長くなっています。
 予約ではカード番号を必ずもらっていますが、私どものインターネットではカード番号を安全に送ってもらえる機能がついていません。
 しかし、お客さまのことを考えると、これからはインターネット上でカード番号を受 け入れて、即時予約のできるシステムにしていかなければと思っています。


日本観光旅館連盟 日観連月報 2000年 4月より